ビタミンCとは、化学的にはL-アスコルビン酸という水溶性の物質で、人体では生成できないにも関わらず人間の生存・生育に不可欠な有機物です。ビタミンCが含まれている野菜や果物は、長い船旅での壊血病を予防するために有用だと歴史的にも知られていましたが、現代を生きる私達が摂取することで、どのような効果があるのでしょうか?まずは、コラーゲンを合成するための過程で必須です。コラーゲンとは、人間に含まれる全タンパク質の30%程度を占め、真皮、靱帯、腱、骨、軟骨や細胞外基質などを構成するものですが、ビタミンCが大幅に不足することで、これらのタンパク質の合成が進まず、壊血病を引き起こす恐れがあることは勿論、肌の張りも失わせてしまいます。また、細胞内のDNAを損傷を起こす活性酸素を消去する効果があります。
活性酸素とは、人体に取り込んだ酸素の一部が代謝過程で反応性の高い状態に変化したもので、人体に数々のメリットを持つ一方、DNAに損傷を与えるというデメリットを持ちます。活性酸素により傷ついた多くのDNAは生体機構で自然に修復されますが、ビタミンCは還元性を持つため、喫煙や紫外線の浴びすぎなどで増えすぎて自然に修復しきれなかった活性酸素を消去し、しみ、くすみの原因となるメラニンの増加を防ぐ効果があります。他の効果として、ビタミンEの再生や、肝臓に多く含まれるシトクロムP450という酵素を活性化することで有害物質を排出されやすい水溶性物質に変えること、消化器官中で鉄の吸収を促進することで貧血の改善に繋がるなど、数多くの有用な効果が確認されています。厚生労働省のデータによると、成人の一日当たりのビタミンCの推奨量の目安は100mgです。
皆さんもサプリや果物などで効率的に摂取し、日々の健康に役立ててください。